2015-01-01から1年間の記事一覧

実は日本には人の受精卵の遺伝子改変を規制する法律がない

今まで「日本では受精卵の遺伝子改変はやってはいけないことになってる」と言ってきました*1*2が、実はこれ、「やっちゃいけないわけじゃないけど、理由もなくやったら怒るからね」というものでした。つまり、「法律」ではなく、「指針」だったわけです。 法…

ゲノム編集国際サミットの声明は研究者寄りの内容

photo by Lauren Manning 2015年12月1日から3日までアメリカのワシントンD.C.で「ゲノム編集の国際会議」が開催されていました。アメリカ、イギリス、そして中国の科学機関が中心になり、「ゲノム編集」による人の遺伝子の操作を国際的にどのように扱ってい…

科学と社会とSFのつながり

科学と社会とSFのつながりについて各界の方々が語るイベントに参加してきました。 下にSFの科学に対する役割をまとめてあります。 イベントの所感はこの色で書いています。 参加したイベント サイエンスアゴラ 2015:キーノートセッション サイエンス・コン…

攻殻機動隊の電脳と義体をブレイン・マシン・インターフェース研究で読み解く

photo by neil conway 攻殻機動隊に出てきたブレインマシンインターフェースについて調べてみました。 ブレイン・マシン・インターフェースとは ブレイン・マシン・インターフェース(以下、BMI)とは、大雑把に言うと、脳を機械とつないで情報のやり取りを…

母と子のマイクロキメリズム

マイクロキメリズムとは・・・? 極小のキメリズムであります。 ではキメリズムとは・・・? 簡単に言えば、「キメラ化」のことです。 じゃあ、キメラ化とは?? 生物学的に言うと、一個体の中に遺伝情報が異なる細胞を持つことです。 部分的に違う遺伝子を…

人の受精卵の遺伝子が改変されたことについて

先月発表された論文に注目しています。 この論文です。 CRISPR/Cas9-mediated gene editing in human tripronuclear zygotes (CRISP/Cas9によるヒト3前核受精卵遺伝子の改変) 著者:Puping Liang, Yanwen Xu, Xiya Zhang, Chenhui Ding, Rui Huang, Zhen Z…